双撃日記

「中華ガジェット」はわが癒し。

マクドで書評を読む。

マクドに来て新聞の書評を読んでいる。店内は活況だ。前に客離れが新聞なんかで騒がれたが、この状態を見れば、これからも安泰なんだろうなということが分かる。


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まず、目を引いたのは親からの自己への虐待を書いた「父の逸脱 ピアノレッスンという拷問」という本。この本の著者はフランス人で、父はムスメを一流のピアニストにすべく、著者が4歳の時から「しつけ」という虐待を娘が高校生になるまで続けたらしい。結構多いな、こういう話。オトコだったら、家出したり暴力振るったりして、ホメられた形ではなくても問題に終止符が打たれるが、なまじっか耐性の高い女性だと延々と虐待が続くことになる。

 

父の逸脱―ピアノレッスンという拷問

父の逸脱―ピアノレッスンという拷問

 

 現在この著者は父と連絡を取っているというが、それはそれでやっぱり異常だ。「寛容」とは言わないだろう。

 

その次はナオミ・クラインの「これがすべてを変える」。上下あって、それぞれが3000円ほどもするのだ。

この著者はカナダのジャーナリストだが、書いているのは「新自由主義」を批判する、反グローバリゼーションの本を書いている(「ブランドなんか、いらない」、「ショック・ドクトリン」)。

いま世界の雰囲気を悪くしてるのは、「新自由主義」に他ならないのに、真っ向からこれと対峙しようとする著作は少ない。「なんかおかしい」と皆が感じながら、その「新自由主義」の弊害を隠蔽する形で右傾化がどんどん進む。そんなバカな状況を解きほぐすためにも、こういうヒトに分かりやすい本を書いてほしい。

 

これがすべてを変える――資本主義VS.気候変動(上)

これがすべてを変える――資本主義VS.気候変動(上)

 

 
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マクドに入って、たった一人でハンバーガーとポテトを頬張りながら、新聞の書評をむさぼり読む。寂しく悲しい風景だ。ちょっと前の自分なら、こんなとこで淋しくやっている自分を見られたくないと思っただろうが、いやいや、なんのその、悪くないよ、この状態。むしろなんだか楽しいくらい。それほど「ひとり上手」なのかもしれないが、大枚叩いて女の子とデートする気もなんだか、失せてしまった。生物学的には何か大切なものが退化してしまったのかもしれないが、本人的には結構快適だ。自分でも驚いているけど。